宿泊コラム

空き地・空き部屋を賢く活用!「場所貸しビジネス」の始め方と注意点

空き地・空き部屋を賢く活用!「場所貸しビジネス」の始め方と注意点

1.はじめに

近年、物件や土地を有効活用する「場所貸しビジネス」が注目を集めています。空き部屋や倉庫、空き地などをリースすることで収益を得るというビジネスモデルですが、その手法は多種多様。賃貸アパートや貸し会議室、シェアオフィスから、パーティー会場やイベントスペースとして貸し出すまで、その利用法は無限大です。

しかし、いざ始めようと思っても、法律や運営方法など不明な点が多いものです。そこで本記事では、「場所貸しビジネス」の基本的な概念から始め方、運用方法、注意点まで詳しく解説します。空き地や空き部屋をお持ちの方、新たな収入源を探している方に役立つ情報を提供しますので、ぜひ最後までご覧ください。

2.「場所貸しビジネス」の概念とメリット

(1)「場所貸しビジネス」とは?

「場所貸しビジネス」とは、自己所有の空き地や建物、あるいは賃貸物件を、一定期間貸し出すことで利益を得るビジネスモデルを指します。需要と供給がマッチングすれば、様々な種類のスペースが対象となります。例えば、商業施設の一室、住宅の一部屋、事務所のデスク、駐車場などがあります。

表1. 「場所貸しビジネス」の具体例

対象場所用途
商業施設の一室ポップアップストア
住宅の一部屋ゲストハウス
事務所のデスクシェアオフィス
駐車場月極め駐車場

このビジネスは、所有者と借り手双方にメリットがあるため、近年ますます注目を集めています。

(2)「場所貸しビジネス」のメリット

「場所貸しビジネス」には多くのメリットがあります。まず、不動産を有効活用して安定した収入を得られます。特に、所有している土地や建物が空き状態の場合、これを貸し出すことで手持ち資産の有効活用が可能となります。

また、対象となる物件や利用者のニーズに応じて料金設定ができます。たとえば、一日数時間の短期利用から長期利用まで、時間や期間によって料金を変動させることができます。これにより、利用者が必要な時間だけ利用できる柔軟性を提供できます。

さらに、地域貢献の一環としても「場所貸しビジネス」は有効です。地域のコミュニティスペースが不足している場合や、新たなビジネスの機会を提供したい時に、貸し出すスペースを提供することで地域の活性化に繋がります。

これらのメリットから、「場所貸しビジネス」は多くの人々にとって魅力的なビジネスモデルとなります。

3.「場所貸しビジネス」の始め方

(1)物件の確保:賃貸と自己保有物件の違い

「場所貸しビジネス」を始める最初のステップは、物件の確保です。物件選びには大きく分けて二つの選択肢があります。一つが自己所有の物件を利用する方法、もう一つが賃貸物件を利用する方法です。

まず、自己所有の物件を利用する場合、初期費用を抑えることが可能です。しかし、場所や規模に制約が出てしまうことがデメリットとなります。

一方、賃貸物件を利用する場合、理想の場所や規模を選ぶことが可能ですが、初期費用や月々の家賃が発生します。

以下に表で簡単にまとめます。

自己所有物件賃貸物件
メリット初期費用が少ない場所や規模を選べる
デメリット場所や規模に制約がある初期費用と家賃が発生

物件選びはビジネスの成功に大きく関わります。自身の予算やビジネス計画に合わせて適切な選択をすることが重要です。

(2)必要な書類:税務署への提出事項

「場所貸しビジネス」を始める際には、税務署への提出書類が必要となります。具体的には、「所得税法」や「消費税法」に基づき、「事業の開始届」や「青色申告承認申請書」などを提出する必要があります。

まず、「事業の開始届」は、新たに事業を始めた旨を税務署に通知するための書類で、開業日から2ヶ月以内に提出しなければなりません。

また、収入と経費を詳細に記録し、計算した利益に対して税金を納める「青色申告」を選択する場合は、「青色申告承認申請書」も提出します。青色申告を選択することで、一定の税制優遇が受けられます。

なお、消費税法に基づき、「場所貸しビジネス」の売上が年間1,000万円を超える場合には、消費税の納税義務が生じるため、「事業者の判断による課税事業者登録」を行うことも忘れてはなりません。これらの手続きは複雑なため、税理士など専門家の助けを借りることも一考です。

(3)インテリア配置:種類ごとの適切な家具や備品

「場所貸しビジネス」では、提供するスペースの用途に応じたインテリア配置が重要です。具体的な配置の例を以下の表に示します。

スペースの用途適切な家具・備品
貸し会議室テーブル、椅子、ホワイトボード、プロジェクター
シェアオフィスデスク、オフィスチェア、プリンター、Wi-Fi環境
パーティールーム大型テーブル、ソファ、キッチン設備

また、具体的な配置を決める際には以下のポイントを考慮しましょう。まず、スペースの広さと形状に合わせた家具の大きさと配置を考えます。次に、レンタルする方々が快適に過ごせるよう、充分な通路スペースを確保することも重要です。最後に、設備のメンテナンスや更新計画も立て、いつでも利用可能な状態を保つことが大切です。

(4)リース先の見つけ方:レンタルスペースポータルサイトとその利用方法

リース先の見つけ方としては、オンラインのレンタルスペースポータルサイトを活用するのが一番効果的です。これらのサイトは、利用者が希望の場所、面積、設備などを検索して、手軽にリース先を見つけることができます。

例えば、「InstaSpace」や「SpaceMarket」などのポータルサイトは非常に人気があります。これらのサイトでは、無料で物件情報を掲載することができ、広範囲のユーザーにアクセスできます。

ただし、これらのサイトを使用する際には、物件の特徴や魅力を引き立てる良質な写真や詳細な説明文を用意することが重要です。また、料金設定もキーポイントとなります。他の同様の物件と比較し、適切な価格を設定してください。

以下、主要なレンタルスペースポータルサイトの特徴を表にまとめてみました。

サイト名特徴
InstaSpace多機能・多目的な空間を検索できる
SpaceMarketイベント向けのスペース情報が豊富

これらを活用することで、「場所貸しビジネス」の成功に繋がるリース先を見つけることができます。

4.「場所貸しビジネス」の運用の詳細

(1)ビジネスモデルと料金設定

「場所貸しビジネス」では、自己所有の物件や賃貸物件をレンタルスペースとして提供し収益を得るビジネスモデルを指します。ここでは、その料金設定について考えてみましょう。

料金設定は、物件の特性(立地、広さ、設備等)、ターゲットとする顧客層、レンタル時間帯などにより変動します。例えば、以下のようなパターンが考えられます。

【1: 料金設定例】

  1. 一日貸し:¥10,000〜¥50,000
  2. 時間貸し(1時間):¥1,000〜¥5,000
  3. 月間貸し(シェアオフィス等):¥50,000〜¥200,000

ただし、これらはあくまで一例であり、競合他社の料金体系や市場調査をもとに適切な設定を行ってください。また、平日・土日や昼夜で料金を分けるフレックスプライシングも有効な手段です。

次に、ビジネスモデルですが、ショートレンタル(時間貸しや一日貸し)やロングレンタル(月間貸し)などがあります。また、ウェディングやイベント用途、商業施設の一部を貸し出すポップアップストアなど、用途によってもビジネスモデルは変化します。

最終的には、レンタルスペースをどのように運営し、どのくらいの料金を設定するかは、提供する場所とサービス内容によります。一度市場調査を行い、自分のビジネスモデルに最適な料金設定を見つけてみてください。

(2)マーケティング戦略:広告、SNS活用など

「場所貸しビジネス」を成功させるためには、適切なマーケティング戦略が必須です。まず始めに行うべきは、ターゲット市場の調査です。ここで理解するべきポイントは、「誰に」「どのような価値」を提供するのかということです。

広告については、主にネット広告が有効でしょう。Google広告やFacebook広告などを活用し、ターゲットに合った広告配信を行います。また、レンタルスペースポータルサイトへの掲載も忘れずに。

SNS活用も重要です。特にInstagramはビジュアル重視のユーザーが多く、スペースの魅力を伝えるのに最適です。また、TwitterやFacebookも地域や関心事によるターゲティングが可能なため活用しましょう。

最後に、口コミや評判はビジネスの成否を左右します。満足度の高いサービスを提供し、良い口コミが広がるよう心掛けましょう。

(3)管理方法:予約管理、清掃、メンテナンスなど

「場所貸しビジネス」の運営には、適切な管理方法が必要です。特に、予約の管理、清掃、メンテナンスは欠かせません。

  1. 予約管理: 予約は事前にしっかりと管理することが重要です。特に、オンラインの予約システムを導入すると、二重予約の防止やキャンセル処理、収益管理などが一元化され、手間を省くことができます。
  2. 清掃: 定期的な清掃は必須です。使用後の清掃はもちろん、定期的な大掃除も実施しましょう。清潔な環境は、ユーザーからの信頼を得るために不可欠です。
  3. メンテナンス: 建物や備品の状態を常にチェックし、必要に応じて修理や交換を行います。これにより、ユーザーが快適に利用できることを保証します。

これら3つの要素を確認するチェックリストを作成し、定期的に見直すと良いでしょう。良好な管理方法は、ビジネスの成長と持続性を支えます。

5.「場所貸しビジネス」の成功事例

(1)定番の活用事例:パーティールーム、貸し会議室、シェアオフィスなど

「場所貸しビジネス」のスタンダードな活用例として、パーティールーム、貸し会議室、シェアオフィスがあります。

まず、パーティールームは誕生日や結婚記念日等、特別な日を祝う場所として需要があります。加えて、自宅では難しい大人数での集まりの場としても利用されます。

次に、貸し会議室は企業が社外でのミーティングやセミナーなどに使用します。立地によっては、地方から出張したビジネスパーソンが利用することもあります。

最後に、シェアオフィスはフリーランスやスタートアップ企業にとって、低コストで働く場所を確保できるメリットがあります。

それぞれの活用例は、以下の表のような特徴を持っています。

活用例特徴
パーティールーム大人数での集まりに対応
貸し会議室ビジネスニーズに対応
シェアオフィス低コストで働く場所を提供

これらの例からもわかるように、適切なターゲットとニーズを捉えることが「場所貸しビジネス」の成功への一歩となります。

(2)最新の活用事例:シェアサロン、ポップアップストア、荷物預かりなど

「場所貸しビジネス」の最新の活用事例には、シェアサロンやポップアップストア、荷物預かりなどがあります。

シェアサロンとは、個々の美容師が自由に利用できるレンタルスタイルの美容室です。美容師自身が働く時間や料金を設定し、直接顧客とのつながりを持つことができます。

また、ポップアップストアは一時的に開店する小規模な店舗で、新商品の発表やブランドイメージの向上に利用されます。短期間で集中的に広告を行えるため、広告コストを抑えることが可能です。

さらに、都市部では荷物預かりというビジネスも増えています。買い物や観光中の手ぶら体験を提供することで、観光客からのニーズを取り込むことができます。

ビジネスモデル簡単な説明利点
シェアサロンレンタルスタイルの美容室美容師と顧客の直接つながり
ポップアップストア一時的に開店する小規模な店舗広告コストの削減
荷物預かり手ぶら体験の提供観光客へのサービス提供

以上のように、「場所貸しビジネス」は様々な可能性を秘めています。

6.注意点と対策

(1)法律や条例の確認

「場所貸しビジネス」を始める前には、関連する法律や条例の確認が必要です。これには、建築基準法や都市計画法、火災防止法などの法律に照らし合わせ、貸す場所がこれらの法律に適合しているか確認することが含まれます。

また、地方自治体によっては、独自の条例で貸し場所や利用時間などに制限が設けられていることもあります。以下の表は、各法律や条例によるチェックポイントをまとめたものです。

法律・条例名チェックポイント
建築基準法建物の構造、設備、使用目的等
都市計画法都市計画区域内での利用制限
火災防止法消防施設等の設置、避難設備など
地方自治体の条例利用時間、音量制限など

未然にトラブルを防ぐためにも、事業を始める前のしっかりとした法律・条例の確認が重要となります。

(2)トラブル防止のためのルール作り

「場所貸しビジネス」では、利用者が安心してスペースを使用できるよう、事前に明確なルールを作成することが重要です。初めに、使用可能な時間帯、禁止事項、騒音に関する規則などを設け、それらを全ての利用者に周知させることで、トラブルを未然に防ぐ効果があります。

また、物品の損傷や盗難などの事故に備え、ルーム利用後の清掃・整理整頓のルールも設けると良いでしょう。具体的な内容としては、以下のような項目が考えられます。

【ルール作りの例】

  1. 利用時間:24時間開放 or 一定時間制
  2. 禁止事項:喫煙、飲酒、大音量での音楽再生など
  3. その他制約:騒音レベル、エアコン・暖房の操作など
  4. 物品取り扱い:借りた備品は元通りに戻す、破損時は弁償するなど

ルールは明文化し、利用前に確認・同意を求めることで、トラブルを大幅に減らすことが可能です。

(3)保険の加入

「場所貸しビジネス」を行う上で欠かせないのが保険の加入です。ビジネスにおいて予期せぬリスクはつきもの。特に、物件の損害、利用者のケガなどは事業主の責任となります。そのため、保険によるリスク対策は必須といえます。

主な保険としては、「火災保険」、「賠償責任保険」、「建物保険」等があります。

【火災保険】 自然災害や火災による物件の損害をカバーします。

【賠償責任保険】 利用者にケガをさせた際の損害賠償責任をカバーします。

【建物保険】 建物自体の損害をカバーします。

尚、これらは一例であり、具体的な保険内容は保険会社やプランにより異なります。ビジネスの詳細に応じた適切な保険を選ぶことが大切です。また、保険加入は専門家に相談することを推奨します。

7.まとめ

「場所貸しビジネス」は、空き地や空き部屋を有効活用する手段として、近年注目を集めています。物件の確保方法から運用の詳細、成功事例まで、具体的な手法を理解することで、効果的なビジネスを展開することが可能です。

しかし、ただ場所を提供するだけではなく、法律や条例の確認、ルールの設定、保険の加入といった対策も重要です。これらを考慮に入れながら、「場所貸しビジネス」を戦略的に運用すれば、安定した収入源となり得ます。

「場所貸しビジネス」は、新たなビジネスチャンスを秘めています。この記事を参考に、ぜひチャレンジしてみてください。

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