宿泊コラム

1. 鍵の受け渡しはスマートに！民泊運営で電子錠が選ばれる理由

従来の鍵を使った受け渡しには、対面でのやり取りや、鍵の紛失・盗難のリスクなど、ホスト・ゲスト双方にとって負担が大きい点が課題として挙げられます。

その点、電子錠であれば、スマートフォンやICカードを使って鍵の開閉ができるため、時間や場所を選ばずにスムーズなチェックイン・チェックアウトが可能になります。

従来の鍵	電子錠
対面での受け渡しが必要	非対面で受け渡し可能
鍵の紛失・盗難のリスク	紛失・盗難のリスク軽減
チェックイン・アウトに手間がかかる	スムーズなチェックイン・アウトが可能

また、電子錠は鍵の管理の手間を省けるだけでなく、セキュリティ面も向上させることができるため、近年、多くの民泊施設で導入が進んでいます。

2. これだけ知っておけばOK！民泊向け電子錠の選び方ガイド

(1) 解錠方法で選ぶ：番号式・ICカード式・スマホアプリ式

電子錠の解錠方法は、大きく分けて「番号式」「ICカード式」「スマホアプリ式」の3種類があります。それぞれの特徴を理解して、自施設の運用スタイルに合ったものを選びましょう。

解錠方法	メリット	デメリット
番号式	・特別な機器が不要 ・費用を抑えやすい	・暗証番号を忘れると解錠できない ・セキュリティレベルが低い場合がある
ICカード式	・カードをかざすだけの簡単操作 ・紛失時の対応も容易	・カードを紛失すると解錠できない ・カードリーダーの設置費用がかかる場合がある
スマホアプリ式	・スマホが鍵になるため持ち運びが不要 ・遠隔操作や入退室履歴の確認が可能	・スマホの充電切れや故障時に解錠できない ・アプリ利用料が発生する場合がある

このように、それぞれにメリット・デメリットがあります。 例えば、コストを抑えたい場合は「番号式」、セキュリティレベルを高めたい場合は「ICカード式」や「スマホアプリ式」、利便性を重視するなら「スマホアプリ式」がおすすめです。

(2) 機能で選ぶ：遠隔操作・入退室履歴・複数ユーザー登録

民泊運営では、ゲストの利便性や安全性を高めるために、電子錠に搭載されている機能も重要な選定基準となります。

機能	説明
遠隔操作	離れた場所からでもスマホアプリなどで解錠・施錠ができる機能です。ゲストへの鍵の受け渡しや、外出中の施錠忘れにも対応できます。
入退室履歴	ゲストの入退室時間を記録できる機能です。セキュリティ向上に加え、チェックイン・チェックアウト時間の確認にも役立ちます。
複数ユーザー登録	複数のゲストやスタッフに、それぞれ異なる権限で鍵を発行できます。ゲストごとに利用期間を設定できるものもあり、鍵の管理の手間を大幅に削減できます。

これらの機能を組み合わせることで、より安全で効率的な民泊運営を実現できます。ご自身の運用スタイルやニーズに合わせて、必要な機能を備えた電子錠を選びましょう。

(3) 費用で選ぶ：初期費用・月額費用・工事費用

電子錠を選ぶ際には、費用面も重要な要素です。電子錠の費用は、製品によって大きく異なります。初期費用だけでなく、月額費用や工事費用も考慮して選びましょう。

費用項目	説明	目安
初期費用	電子錠本体の購入費用	数千円～数万円
月額費用	サービス利用料や通信料	無料～数千円
工事費用	電子錠の取り付け費用	無料～数万円

例えば、シンプルな機能の電子錠であれば、初期費用は数千円で購入できる場合もあります。一方、多機能な電子錠や、設置に工事が必要な電子錠は、数万円程度の費用がかかる場合もあります。 月額費用は、スマホアプリとの連携機能や、入退室履歴の記録機能など、電子錠の機能によって発生する場合があります。 工事費用は、電子錠の種類や設置場所、業者によって異なります。簡単な設置であれば自身で行うことも可能ですが、不安な場合は専門業者に依頼することも検討しましょう。

(4) 設置方法で選ぶ：後付け型・交換型

電子錠には、設置方法によって「後付け型」と「交換型」の2種類があります。

設置方法	後付け型	交換型
特徴	・現在使用中のドアにそのまま取り付け可能 ・工事不要で手軽に設置できる	・既存の錠前と交換して設置する ・防犯性が高い傾向がある
費用	安価	比較的高価
適合	賃貸物件など、大規模な工事が難しい場合に最適	持ち家など、防犯性を重視する場合に最適

　後付け型は、現在使用しているドアにそのまま取り付けられるため、賃貸物件など、大規模な工事が難しい場合に最適です。一方、交換型は、既存の錠前と交換して設置するため、防犯性が高い傾向にあります。持ち家など、防犯性を重視する場合に最適です。 　どちらの設置方法が適しているかは、物件の状況や重視するポイントによって異なります。電子錠を選ぶ際には、設置方法についても事前に確認しておきましょう。

(5) サポート体制で選ぶ：電話サポート・メールサポート

万が一、電子錠に不具合が発生した場合や操作方法がわからない場合でも、迅速で丁寧なサポートがあれば安心です。 サポート体制の充実度は、電子錠選びの重要なポイントと言えるでしょう。

製品によって、電話サポート、メールサポート、チャットサポートなど、対応方法はさまざまです。 サポート対応時間や曜日、問い合わせ方法なども事前に確認しておきましょう。

サポート体制	メリット	デメリット
電話サポート	疑問点を直接解決しやすい	対応時間外は利用できない場合がある
メールサポート	自分のペースで問い合わせができる	回答に時間がかかる場合がある

また、日本語対応の有無も重要なポイントです。 特に海外製品の場合は、日本語サポートが充実しているかどうかも確認しておきましょう。

3. 【目的別】民泊運営におすすめのスマートロック・電子錠4選

(1) コスパ重視のシンプル機能モデル

費用を抑えたいけど、鍵の受け渡しは楽にしたいというオーナー様には、シンプル機能モデルがおすすめです。基本的な機能に絞ることで、低価格を実現しています。

製品名	特徴	値段帯
Qrio Lock (キュリオロック)	・スマホが鍵になるスマートロック ・オートロック機能で鍵の閉め忘れ防止	20,000円〜
SESAME mini (セサミミニ)	・コンパクトで設置しやすいスマートロック ・オートロック機能、ゲストキー発行機能あり	10,000円〜
SwitchBot ロック	・後付け可能なスマートロック ・アプリやスマートスピーカーから操作可能	8,000円〜

これらの製品は、初期費用を抑えられるだけでなく、工事不要で簡単に取り付けられるものが多いため、DIYでの設置も可能です。

ただし、シンプル機能モデルは、多機能モデルと比較して、セキュリティ機能や拡張性が低い場合があります。 例えば、ICカードでの解錠や入退室履歴の記録機能などが省略されている場合があるので、事前に必要な機能を確認しておきましょう。

(2) セキュリティ重視の多機能モデル

万全のセキュリティ体制でゲストと物件を守りたいオーナーには、多機能なスマートロックがおすすめです。

製品名例	特徴
セサミタッチ Pro	・オートロック機能で締め忘れ防止 ・暗証番号の覗き見防止機能搭載 ・ICカードをかざすだけのスムーズな解錠
Qrio Lock (キュリオロック) Q-SL2	・Apple WatchやHomeKitにも対応 ・合鍵を発行できるため、複数人で管理しやすい
SwitchBot スマートロック 指紋認証パッドセット	・指紋認証でスムーズな解錠が可能 ・不正な解錠を検知する機能を搭載

これらのモデルは、複数ユーザーの登録や入退室履歴の確認など、高度なセキュリティ機能が充実しています。不正アクセスを防止する機能や、万が一の場合の通知機能なども備わっているため、安心してゲストをお迎えできます。ただし、その分費用は高額になりがちです。導入費用と機能のバランスを考慮して選ぶことが重要になります。

(3) 簡単設置の後付けモデル

既存の鍵を交換することなく、手軽にスマートロックを導入したいオーナーに最適なのが、後付けタイプの電子錠です。工事不要で、粘着テープや両面テープで簡単に取り付けられる製品が多く、DIYでも設置できます。

製品名例	特徴	適合ドア
Qrio Lock (キュリオロック)	スマホが鍵になるスマートロックの定番	サムターン
SESAMI 4 (セサミ4)	オートロック機能搭載でさらに便利に	サムターン
SwitchBot ロック	スマートリモコンと連携して家電操作も可能	サムターン
Akerun Pro (アケルンプロ)	法人向け機能が充実	シリンダー

後付けモデルを選ぶ際は、対応しているドアの種類（サムターン錠、シリンダー錠など）を確認することが重要です。賃貸物件の場合、物件オーナーに無断で設置することができないケースもあるため、事前に確認しておきましょう。

(4) 大規模施設向けハイスペックモデル

大規模な宿泊施設やマンションタイプの一棟貸しなどを運営する場合、より高度な機能が求められます。 例えば、入退室管理システムとの連携や、複数階層に対応したセキュリティ設定などです。 以下に、大規模施設におすすめのハイスペックモデルの機能例をまとめました。

機能	説明
階層別アクセス権設定	階層ごとに異なる権限を設定し、セキュリティレベルを高めることができます。
入退室履歴の一元管理	全ての部屋の入退室履歴を一元管理し、セキュリティ強化と業務効率化を実現します。
複数ユーザー・グループ管理	スタッフや清掃員など、役割に応じてアクセス権限を細かく設定できます。
API連携	既存の宿泊管理システムや予約システムと連携し、シームレスな運営を可能にします。

これらの機能を活用することで、大規模施設でもセキュリティレベルを維持しながら、効率的な運営体制を構築できます。

4. 電子錠導入でよくある疑問を解決！

(1) 電子錠の費用はどのくらい？

電子錠の費用は、機能や種類によって大きく異なります。 主な内訳は以下の通りです。

項目	費用相場	備考
本体価格	1万円〜10万円	機能やブランドによって大きく異なります。
工事費用	1万円〜3万円	設置場所や工事内容によって異なります。
月額費用	0円〜1,000円	サービスによっては月額費用が発生する場合があります。

例えば、シンプルな機能の電子錠であれば、本体価格が1万円台から購入できるものもあります。一方、多機能なモデルやハイスペックなモデルになると、本体価格が5万円を超える場合もあります。

また、電子錠の設置には工事が必要となるケースがあります。 工事費用は業者や設置場所によって異なり、1万円から3万円程度が相場です。 ただし、DIYで設置可能なモデルもあるため、費用を抑えたい場合はそのようなモデルを選ぶのも良いでしょう。

さらに、一部の電子錠では、遠隔操作や入退室履歴の閲覧などの機能を利用するために、月額費用が発生する場合があります。月額費用は数百円から千円程度が一般的です。

(2) 工事は必要？自分でも設置できる？

電子錠の設置には、工事が必要な場合と不要な場合があります。 基本的には、既存の鍵を交換するタイプであれば工事は比較的容易で、DIYでも設置できる製品も少なくありません。 一方、新たに鍵を設置する場合や、配線工事が必要なタイプの電子錠の場合は、専門業者による工事が必須となります。

設置タイプ	工事	自分で設置できる？	備考
後付け型	不要	〇	賃貸物件などにもおすすめ
交換型	必要・不要	△	製品や状況によって異なる
新規設置	必要	×	専門業者への依頼が必要

ご自身で設置する場合は、必ず製品の説明書をよく読み、手順を確認してから作業しましょう。 不安な場合は、無理せず専門業者に依頼することをおすすめします。 専門業者に依頼する場合でも、事前に見積もりを取り、費用や工事内容を確認しておくことが大切です。

(3) 停電時でも使える？

電子錠の多くは、電池で駆動しています。そのため、「停電時でも問題なく使えるの？」と不安に感じる方もいるかもしれません。ご安心ください。ほとんどの電子錠は、停電時にも対応できる機能が備わっています。

機能	内容
電池切れ警告	電池残量が少なくなると、事前にランプや音で知らせてくれます。
非常キー	万が一、電池切れや故障で電子錠が使えなくなっても、非常キーを使って解錠できます。
外部電源供給	一部の機種では、モバイルバッテリーなどから電力を供給できるものもあります。

電子錠を選ぶ際には、これらの機能が搭載されているかどうかも確認しておきましょう。停電時でも安心して利用できるかどうかも、重要な選択基準と言えるでしょう。

(4) セキュリティ面は大丈夫？

電子錠は、物理的な鍵と比べてセキュリティ面で不安を感じる方もいるかもしれません。しかし、電子錠は高度な技術が使われており、不正侵入対策もしっかりと施されています。

特徴	説明
堅牢な構造	バールなどによる破壊行為への対策も施されています。
暗号化技術	第三者による不正アクセスを防ぐため、高度な暗号化技術が用いられています。
自動ロック機能	鍵の閉め忘れを防ぎ、不正侵入のリスクを低減します。
不正操作検知	複数回の誤ったパスワード入力などを検知し、アラームを鳴らすなどして不正操作を防止します。

電子錠を選ぶ際には、これらのセキュリティ機能が搭載されているかどうかも重要な選定基準となります。信頼できるメーカーの製品を選ぶようにしましょう。

(5) 導入後のサポート体制は？

電子錠は一度導入すれば終わりではありません。 万が一のトラブルや操作方法で困った際に、頼れるサポート体制が整っているかどうかも重要な選定ポイントです。

製品によってサポート体制は大きく異なり、電話対応、メール対応、FAQページなどが用意されています。 サポート体制の内容を事前に確認し、安心して利用できるものを選びましょう。

サポート体制	説明
電話サポート	時間内であれば、オペレーターに直接問い合わせが可能です。疑問点をすぐに解決したい場合に便利です。
メールサポート	24時間いつでも問い合わせできます。回答に時間がかかる場合もありますが、自分のペースで問い合わせたい場合に向いています。
FAQページ	よくある質問と回答がまとめられています。自分で解決できる内容であれば、時間をかけずに解決できます。

また、製品によっては保証期間が設定されている場合もあります。 保証期間内であれば、無償で修理対応を受けられるなど、万が一の場合でも安心です。

5. まとめ：民泊運営を快適化するなら電子錠の導入を検討しよう！

民泊運営において、鍵の受け渡しは運営者・ゲスト双方にとって負担の大きい作業です。 電子錠を導入することで、鍵の受け渡しをスムーズに行い、時間や手間を大幅に削減できます。

メリット	説明
鍵の受け渡しの手間を削減	ゲストはいつでもチェックインが可能になり、運営者は鍵の受け渡し作業から解放されます。
セキュリティの向上	鍵の紛失や複製のリスクを減らし、不正侵入を防ぎます。
運営の効率化	入退室履歴の管理や、遠隔操作によるチェックイン対応など、業務効率化に貢献します。
ゲストの満足度向上	スムーズなチェックイン、先進的な設備による宿泊体験の質の向上につながります。

電子錠は、初期費用や月額費用、機能、デザインなど、さまざまな製品が販売されています。 この記事で紹介した選び方ガイドを参考に、自身の民泊施設に最適な電子錠を見つけて、より快適な運営を目指しましょう。