宿泊コラム

民泊可能物件の探し方4選|規制や注意点も徹底解説

民泊可能物件の探し方4選|規制や注意点も徹底解説

1. はじめに:収益化のチャンスを広げる民泊投資のススメ

近年、訪日観光客の増加や働き方の多様化を背景に、宿泊施設としての「民泊」が注目されています。民泊投資は、従来の不動産投資に比べて初期費用を抑えつつ、収益化のチャンスを広げられる魅力的な選択肢と言えるでしょう。

メリットデメリット
比較的少額から始められる法律や条例などの知識が必要
需要変動に合わせて柔軟に対応できる空室リスクや近隣トラブルの可能性
不動産の有効活用運営の手間がかかる

空室を宿泊施設として活用することで、安定収入を得られるだけでなく、地域貢献にも繋がる可能性を秘めています。本記事では、これから民泊投資を検討する方が、安心して一歩踏み出せるよう、物件探しの方法から注意点まで詳しく解説していきます。

2. 民泊可能物件とは?

(1)旅館業法と住宅宿泊事業法の違い

民泊を行うには、「旅館業法」と「住宅宿泊事業法(民泊新法)」のどちらかの法律に基づいて営業許可を取得する必要があります。

旅館業法は、ホテルや旅館など宿泊施設を営業するための法律です。旅館業法上の許可を得て営業する場合、施設の構造や設備に関する厳しい基準をクリアする必要があります。

一方、住宅宿泊事業法は、2018年に施行された比較的新しい法律で、住宅を宿泊施設として提供することを認めるものです。旅館業法と比較して、営業許可の取得要件が緩和されている点が特徴です。

それぞれの法律の特徴を以下の表にまとめます。

法律営業許可の種類施設基準最小宿泊日数
旅館業法ホテル営業許可、旅館営業許可など厳しい基準あり制限なし
住宅宿泊事業法(民泊新法)住宅宿泊事業届出比較的緩和された基準原則7泊以上

どちらの法律に基づいて営業するかは、物件の状況や事業計画などを考慮して決定する必要があります。

(2)許可要件と届出制度

日本で民泊を合法的に運営するには、旅館業法または住宅宿泊事業法のいずれかの許可を取得する必要があります。それぞれの法律で、営業許可を受けるための要件や手続きが異なります。

法律営業日数許可要件(主なもの)届出先
旅館業法営業日数制限なし・施設基準(客室の広さ、浴室・トイレの数など)
・設備基準(寝具、照明、消防設備など)
・衛生基準(清掃、消毒、害虫駆除など)
都道府県知事
住宅宿泊事業法(民泊新法)年間180日以内・消防法令適合通知書の取得
・宿泊者名簿の作成・保管
・近隣住民への説明
市区町村長

旅館業法は、旅館やホテルなど宿泊施設を営業するための法律です。一方、住宅宿泊事業法は、2018年6月に施行された比較的新しい法律で、一般住宅を宿泊施設として活用する民泊を対象としています。

どちらの法律で届出を行う場合も、それぞれの法律で定められた要件を満たす必要があります。また、届出後も、運営ルールを遵守し、適切な運営を行うことが求められます。詳細については、各法律や各自治体の条例などを確認するようにしましょう。

(3)運用ルールと注意点

民泊運営には、旅館業法または住宅宿泊事業法に基づいた運用ルールが定められています。遵守事項は多岐に渡るため、事前にしっかりと理解しておく必要があります。

項目内容
宿泊日数年間180日以内
衛生管理清掃、消毒、寝具類の交換
安全管理消防設備の設置、避難経路の確保
近隣対策騒音対策、ゴミ処理
本人確認宿泊者全員のパスポートなどの提示

これらのルールを守らない場合、営業停止や罰金などの処分を受ける可能性があります。また、近隣住民とのトラブルを避けるためにも、騒音やゴミ問題には特に注意を払い、良好な関係を築くことが重要です。

3. 民泊可能物件の探し方4選

(1)民泊物件専門の不動産ポータルサイトを活用

– メリット:民泊に特化した情報が豊富

民泊物件専門の不動産ポータルサイトの最大のメリットは、掲載されている物件情報がすべて民泊運用に適している点です。

一般的な不動産ポータルサイトでは、賃貸や売買など様々な用途の物件情報が混在しているため、民泊に活用できる物件かどうかを自分で判断しなければなりません。

その点、民泊物件専門サイトであれば、以下のような民泊に必要な情報が予め整理されているため、効率的に物件を探すことができます。

項目説明
法規制の適合状況旅館業法や住宅宿泊事業法などの許可を取得済みかどうか、または取得見込みがあるかどうかが分かります。
想定稼働率地域の観光需要や過去の運用実績に基づいた想定稼働率が提示されている場合があり、収益性を予測しやすくなります。
運営代行サービスの有無サイト運営会社が民泊運営代行サービスを提供している場合は、運営を委託することも可能です。
近隣住民との調整状況既に民泊運営が行われている物件であれば、近隣住民とのトラブルリスクを把握できます。
民泊運営に必要な設備の有無家具家電、Wi-Fi、アメニティなど、民泊運営に必要な設備が既に整っているか確認できます。

これらの情報が事前に提供されていることで、スムーズに物件選びを進めることができます。

– デメリット:物件数が限られる場合がある

民泊物件専門の不動産ポータルサイトは、掲載されている物件が民泊利用に限定されているため、一般的な不動産ポータルサイトと比較して物件数が限られる場合があります。

メリットデメリット
民泊に特化した情報が豊富物件数が限られる場合がある
サイトによっては、収益シミュレーションを提供サイトによっては、掲載エリアが限定される場合がある

そのため、希望するエリアや条件によっては、希望に合う物件が見つかりにくい可能性があります。事前に複数のサイトをチェックしたり、希望条件を広げてみたりするなど、工夫が必要です。

– おすすめサイト例

(1)民泊物件専門の不動産ポータルサイトを活用する場合

民泊物件に特化した情報サイトは、掲載物件数が限られる場合がある一方、民泊運営に必要な情報を効率的に収集できるメリットがあります。以下に代表的なサイトをまとめました。

サイト名特徴
民泊物件.com民泊向け物件に特化し、収益シミュレーションなども確認できるサイト
(株)AirbnbPartnersAirbnbへの掲載に特化した物件情報サイト
一棟貸し専門サイト名一棟貸し物件に特化した物件情報サイト

(2)大手不動産ポータルサイトで検索する場合

掲載物件数が多く、希望条件に合う物件を見つけやすいメリットがある一方、民泊に関する情報が不足している場合もあるため、詳細を確認する必要があります。

サイト名特徴
SUIMO用途地域や建築基準法などの法的規制情報も確認できる
HOME’S物件情報に加えて、周辺環境や相場情報も確認できる
at home物件情報に加えて、周辺環境や相場情報も確認できる
Yahoo!不動産物件情報に加えて、周辺環境や相場情報も確認できる

これらのサイトを参考にしながら、希望条件に合う物件を探してみましょう。

(2)大手不動産ポータルサイトで検索

– メリット:物件数が多い

大手不動産ポータルサイトは、掲載されている物件数が非常に多いのがメリットです。 これは、民泊として利用可能な物件を見つける可能性を広げます。 サイトによっては、以下のように豊富な物件情報を掲載しています。

サイト名掲載物件数
SUUMO約400万件
HOME’S約400万件
at home約480万件

(2023年8月時点)

そのため、希望する条件に合致する物件が見つかりやすいという点も大きなメリットと言えるでしょう。 賃貸物件だけでなく、売買物件も掲載されているため、予算や投資計画に合わせて幅広い選択肢から検討できます。

– デメリット:検索条件を絞り込む必要がある

大手不動産ポータルサイトは、賃貸や売買など様々な種類の物件情報を扱っています。そのため、民泊運用可能な物件に絞り込むには、以下のような項目を細かく設定する必要があります。

検索条件詳細
物件種別マンション、アパート、一戸建て
用途居住用、事業用
その他の条件ペット可、楽器可
フリーワード検索「民泊」「投資用」「収益物件」など

これらの条件設定を適切に行わないと、膨大な数の物件情報から民泊可能な物件を manually 探し出すことになり、非常に手間がかかります。

– おすすめサイト例

(1)民泊物件専門の不動産ポータルサイトを活用する場合のおすすめサイト例は以下の通りです。

サイト名特徴
民泊投資.com民泊向け物件に特化した検索機能が充実
Vacation STAY 不動産投資全国各地の民泊運営可能な物件情報を掲載
TABICTリノベーション済みの民泊向け物件も多数掲載

(2)大手不動産ポータルサイトを活用する場合のおすすめサイト例は以下の通りです。

サイト名特徴
SUUMO「事業用・投資用物件」から「その他」を選択し、「民泊」で絞り込む
HOME’S詳細検索条件で「民泊」を選択
at homeキーワード検索で「民泊」と入力
Yahoo!不動産物件種別で「その他」を選択し、「民泊」で絞り込む

これらのサイトを参考にしながら、希望条件に合う物件を探してみましょう。

(3)不動産会社に直接相談

– メリット:プロの視点から物件探しをサポート

不動産会社に直接相談するメリットは、何と言っても物件探しから契約交渉、運営開始に向けた準備まで、不動産のプロの視点からサポートを受けられることです。

メリット説明
希望条件に合った物件の紹介予算やエリア、広さなどの希望条件を伝えることで、豊富な情報の中から最適な物件を紹介してもらえます。
法律や規制に関するアドバイス民泊に関する法律や条例は複雑で、初心者には分かりにくいものです。不動産会社は、これらの知識も豊富なので、安心して物件探しを進めることができます。
価格交渉や契約条件の調整不動産会社は、物件のオーナーとの交渉も代行してくれます。
運営開始に向けたサポート金融機関の紹介や、必要な許認可取得のサポートなども行ってくれます。

これらのサポートを受けることで、時間と労力を大幅に削減し、スムーズに民泊事業を始めることができます。

– デメリット:手数料が発生する場合がある

不動産会社や民泊運営代行会社に物件探しを依頼する場合、手数料が発生することがあります。手数料は、成功報酬型と、物件紹介や相談などに対して発生するコンサルティング料などの実費型の2種類があります。

手数料の種類説明
成功報酬型物件の契約が成立した場合にのみ支払う手数料です。
実費型物件紹介や相談など、サービス内容に応じて支払う手数料です。

手数料は会社やサービス内容によって異なるため、事前に確認することが大切です。また、手数料が発生する場合には、それが予算 within なのかどうか、事前に検討しておく必要があります。

– おすすめの探し方

(1)民泊物件専門の不動産ポータルサイトを活用する場合
サイトによって掲載物件の地域や種類が異なるため、複数のサイトを比較検討することをおすすめします。
また、サイトによっては、収益シミュレーションや専門スタッフへの相談サービスを提供している場合もあるため、積極的に活用しましょう。

(2)大手不動産ポータルサイトで検索する場合
「民泊」「投資用」などのキーワードを使って検索し、絞り込み条件で「用途地域」「築年数」「広さ」などを指定することで、希望に合う物件を見つけやすくなります。

(3)不動産会社に直接相談する場合
地域に強い不動産会社や、民泊に精通した担当者を選ぶことが重要です。事前に希望条件を整理しておき、複数の物件を紹介してもらいながら比較検討しましょう。

(4)民泊運営代行会社に相談する場合
物件探しだけでなく、その後の運営までトータルサポートしてくれる会社を選びましょう。手数料や契約内容などを事前に確認しておくことが大切です。

希望条件に合う物件を見つけるためには、これらの方法を組み合わせて、幅広く情報収集することが重要です。

(4)民泊運営代行会社に相談

– メリット:物件探しから運営までサポート

民泊運営代行会社に相談する最大のメリットは、物件探しから運営までを一貫してサポートしてもらえる点です。

項目内容
物件探し条件に合う民泊可能物件の紹介、内覧の手配、契約交渉の代行などを行います。
運営予約受付、ゲスト対応、清掃、トラブル対応など、運営に関する業務全般を代行します。
法令遵守運営に必要な法令や条例に関するアドバイスや手続きの代行を行います。

不動産投資や民泊運営の経験がない方でも、安心して民泊事業を始められます。また、運営を代行することで、オーナー様は時間に余裕を持つことができ、本業に集中できます。

– デメリット:手数料が発生する場合がある

不動産会社に依頼する場合、物件を紹介してもらう対価として、仲介手数料が発生します。手数料は法律で上限額が定められており、物件価格の3%+6万円(税別)が一般的です。 例えば、2,000万円の物件を購入する場合、手数料は以下のように計算されます。

項目金額
物件価格2,000万円
仲介手数料の上限物件価格 × 3% + 6万円
計算結果2,000万円 × 0.03 + 6万円 = 66万円(税別)

上記のように、高額な物件になるほど手数料も高くなるため、事前に手数料の金額を確認しておくことが重要です。 また、民泊運営代行会社に物件探しを依頼する場合も、手数料が発生するケースがあります。手数料は会社によって異なり、成功報酬型や月額固定型など、様々な料金体系があります。

– おすすめの探し方

(1)民泊物件専門の不動産ポータルサイトを活用する場合
複数のサイトを比較し、掲載物件数や検索条件、掲載されている情報などを参考にしましょう。気になる物件があれば、資料請求や問い合わせをして詳細を確認することが大切です。

(2)大手不動産ポータルサイトで検索する場合
「民泊」「投資用」などのキーワードで絞り込み検索を行いましょう。サイトによっては、民泊に関する情報が充実している場合があります。

(3)不動産会社に直接相談する場合
地域の特性や法律に詳しい不動産会社を選ぶことが重要です。希望条件を伝え、親身に相談に乗ってくれるパートナーを見つけましょう。

(4)民泊運営代行会社に相談する場合
物件探しから運営まで一括でサポートしてくれるため、手間を省きたい方に最適です。手数料や契約内容をよく確認し、信頼できる会社を選びましょう。

おすすめの探し方メリットデメリット
民泊物件専門の不動産ポータルサイト民泊物件に特化した情報が得やすい物件数が限られる場合がある
大手不動産ポータルサイト物件数が多く、比較検討しやすい民泊に関する情報が少ない場合がある
不動産会社に直接相談地域や法律に詳しい手数料が発生する場合がある
民泊運営代行会社に相談物件探しから運営までサポートしてもらえる手数料が発生する場合がある

4. 押さえておきたい!民泊可能物件探しのポイント

(1)立地条件

– アクセス:駅からの距離、主要観光地へのアクセス

宿泊施設を探す際、誰もが重視するポイントの一つが「アクセス」です。観光客は旅の拠点となる宿泊施設から、いかにスムーズに観光スポットへアクセスできるかを重視します。

アクセスの良さメリット注意点
駅からの近さ・観光客にとって移動が便利
・ビジネス利用も見込める場合がある
・駅周辺は騒音が気になる場合がある
観光地への近さ・観光客にとって魅力的
・周辺環境の情報収集も容易
・閑散期は集客が難しい場合がある

駅近物件は、電車での移動をメインとする観光客にとって非常に便利です。一方、主要観光地から徒歩圏内の物件は、観光客にとって魅力的なだけでなく、周辺環境の調査も容易になります。ただし、駅周辺の騒音や、観光地周辺の閑散期の集客には注意が必要です。

– 周辺環境:コンビニ、スーパー、飲食店

周辺環境は、宿泊客の利便性に直結するだけでなく、物件の資産価値にも影響を与えるため、重要な検討ポイントです。

チェックポイント詳細
コンビニ徒歩5分圏内に複数あれば尚可
スーパー徒歩10分圏内にあれば便利
飲食店多様なジャンルのお店があると魅力的
その他ドラッグストア、病院なども確認

宿泊客は、旅先でも日用品の購入や食事に困ない環境を求めます。コンビニやスーパー、飲食店までの距離は重要な要素です。特に、海外からの旅行者は日本のコンビニの充実度に魅力を感じるケースも多いため、コンビニが近いことは大きなメリットになります。

また、周辺環境は、将来物件を売却する際のリセールバリューにも影響します。生活利便性の高いエリアは、賃貸需要も見込めるため、資産価値が維持されやすい傾向にあります。

物件周辺の環境は、現地を訪れて自分の目で確かめるようにしましょう。GoogleMapなどの地図情報だけでなく、実際に歩いてみることで、より具体的なイメージをつかむことができます。

(2)物件の条件

– 間取り:広さ、部屋数

民泊では、宿泊人数や利用シーンに適した部屋の広さや間取りを選ぶことが重要です。

宿泊人数おすすめ広さおすすめ間取り
1~2名1R~1LDKワンルーム、1LDKなどコンパクトな間取り
3~4名2LDK~3LDK2部屋以上ある、リビングと寝室が分けられる間取り
5名以上3LDK~広々としたリビング、複数の寝室がある間取り

ファミリーやグループ旅行者をターゲットにする場合は、広めのリビングや複数の寝室がある物件を選ぶと快適に過ごせます。一方、単身旅行者やビジネスマンをターゲットにする場合は、コンパクトな間取りでも十分でしょう。

– 設備:キッチン、バスルーム、トイレ、Wi-Fi

宿泊施設として、キッチン、バスルーム、トイレといった水回りは、清潔さや使い勝手の良さが求められます。特に、バスルームはバスタブの有無や広さなど、利用者のニーズに合わせた設備を選ぶことが重要です。

また、近年では、無料Wi-Fiの提供は宿泊施設を選ぶ上で必須条件となっています。快適なインターネット環境を提供するために、通信速度の速い光回線を導入したり、複数の端末を同時に接続できるようWi-Fiルーターの設置場所を工夫したりする必要があるでしょう。

設備詳細
キッチンコンロの数、冷蔵庫のサイズ、調理器具の有無など
バスルームバスタブの有無、シャワーの水圧、トイレとの距離
トイレ温水洗浄便座の有無、清潔さ
Wi-Fi通信速度、接続の安定性

これらの設備は、宿泊料金に影響を与える重要な要素となります。充実した設備を整えることで、顧客満足度を高め、収益アップも見込めるでしょう。

– その他:駐車場、エレベーター

その他にも、駐車場やエレベーターの有無は重要な検討項目です。チェックポイントは以下の通りです。

項目チェックポイント
駐車場近隣にコインパーキングがあるか、料金水準はどのくらいか
長期滞在の場合、割引などお得なサービスがあるか
エレベーター高層階の場合、宿泊者の荷物の持ち運びや高齢者の移動を考慮すると、エレベーターの有無は重要な要素となります。
エレベーターのサイズや台数も確認し、大型の荷物を持った宿泊者にも対応できるかどうかも確認しておきましょう。

駐車場は、車で訪れる宿泊者にとって必須の設備です。物件に駐車場がない場合は、近隣にコインパーキングがあるか、料金水準はどのくらいかなどを事前に確認しておきましょう。また、長期滞在の場合、割引などお得なサービスがあるかどうかも確認しておくと良いでしょう。

エレベーターは、高層階の場合、宿泊者の荷物の持ち運びや高齢者の移動を考慮すると、重要な要素となります。エレベーターのサイズや台数も確認し、大型の荷物を持った宿泊者にも対応できるかどうかも確認しておきましょう。

(3)法的規制の確認

– 用途地域:住宅専用地域、商業地域

用途地域とは、都市計画法に基づいて、街づくりの観点から建物の用途に制限が設けられている地域のことです。民泊を行う上で、用途地域は重要な要素となります。

用途地域説明民泊の可否
住宅専用地域主として住居の環境を保護するため定められた地域原則不可
商業地域主として商業その他の業務の利便の増進を図る地域原則可能

住宅専用地域では、原則として民泊を行うことはできません。ただし、旅館業法の許可を取得している場合は、この限りではありません。一方、商業地域では、原則として民泊を行うことが可能です。

用途地域によって、民泊の可否が異なるため、物件探しの際には、必ず事前に確認するようにしましょう。

– 建築基準法:容積率、建ぺい率

建築基準法は、建物の安全や都市計画に関わる法律です。民泊可能物件を探す際には、容積率と建ぺい率も重要な要素となります。

容積率は、敷地面積に対する延べ床面積の割合を示し、その土地にどれだけの規模の建物を建てられるかを定めています。

建ぺい率は、敷地面積に対する建築面積の割合を示し、敷地にどれだけの割合で建物を配置できるかを定めています。

これらの数値は、地域や用途によって細かく定められています。例えば、住宅地では容積率や建ぺい率が低く制限されている場合が多く、商業地域では比較的高い数値が設定されている傾向があります。

民泊事業を始めるにあたって、物件の建築計画がこれらの法規制に適合しているかを確認することは必須です。

用語説明
容積率敷地面積に対する延べ床面積の割合
建ぺい率敷地面積に対する建築面積の割合
延べ床面積各階の床面積の合計
建築面積建物を真上から見たときに影になる部分の面積

もし、これらの法規制を超える規模で建築されている場合は、違法建築となる可能性があります。違法建築は、民泊事業の許可が下りないばかりか、是正工事が必要になるなど、大きなリスクを伴います。物件選びの際には、必ず建築基準法に適合していることを確認しましょう。

(4)収益性を見極める

– 投資金額と回収期間

民泊投資では、物件購入費用だけでなく、リノベーション費用や家具家電購入費用など、初期投資に多額の資金が必要になります。

項目内訳想定費用
物件購入費用土地と建物の購入費用物件価格により異なる
リノベーション費用内装工事、設備工事など500万円~
家具家電購入費用ベッド、冷蔵庫、洗濯機など100万円~
その他費用登記費用、保険料など50万円~

これらの投資金額を踏まえ、想定される年間収入から何年で回収できるのか、事前にシミュレーションすることが重要です。 回収期間は物件価格や運用状況によって大きく変動します。 例えば、1,000万円の投資を行い、年間500万円の収入(ランニングコストなどを除く)が見込める場合、回収期間は2年となります。 しかし、想定通りの稼働率を維持できない場合、回収期間は延びてしまう可能性もあるため注意が必要です。

– ランニングコスト:光熱費、清掃費

民泊運営には、宿泊客が快適に過ごせる環境を提供するためのランニングコストも発生します。主なランニングコストは以下の通りです。

項目内容備考
光熱費電気、ガス、水道料金使用量に応じて変動
清掃費ベッドメイキング、清掃、ゴミ処理清掃頻度や委託先によって変動
リネン代シーツ、タオル等のクリーニング代清掃費に含まれる場合もある
消耗品費シャンプー、リンス、トイレットペーパー等の補充宿泊日数や人数に応じて変動

これらの費用は、物件の広さや設備、宿泊人数、稼働率によって大きく変動します。そのため、事前にしっかりとシミュレーションを行い、収益計画に組み込んでおくことが重要です。

– 想定稼働率:地域や季節による変動

想定稼働率は、収益性を大きく左右する要素の一つです。立地や季節によって大きく変動することを理解しておきましょう。

例えば、以下のようにエリアの特性によって想定稼働率は大きく変わってきます。

エリア特徴想定稼働率の傾向
観光地通年で観光客が見込める高めを維持
ビジネス街平日はビジネス客、休日は観光客も見込める平日高く、休日やや低め
住宅街比較的安定した入居が見込める安定

上記はあくまで一例です。同じエリア内でも、物件の周辺環境や競合物件の状況によって大きく変わる可能性があります。

また、季節によっても稼働率は変動します。観光シーズンは当然高くなりますが、オフシーズンは低迷する可能性もあります。これらの変動を考慮して、年間を通して安定した収益を確保できる見通しを立てることが重要です。

5. 民泊投資のリスクと注意点

(1)法律や条例違反

民泊事業を行う上で、法律や条例を遵守することは非常に重要です。 無許可で営業したり、届出内容と異なる運営をすることは法律違反となり、罰則が科せられる可能性があります。 また、各自治体で定められた条例に違反した場合も、同様に罰則の対象となることがあります。

法律・条例違反内容例
無許可営業届出せずに民泊事業を行うこと
虚偽の届出実際とは異なる内容で届出を行うこと
運用ルールの違反営業日数や宿泊人数の制限を超えて営業すること
消防法違反消防設備の設置や点検を怠ること
衛生管理の不備清掃やゴミ処理が適切に行われていないこと

これらの違反を避けるためには、事前に関係法令や条例をよく理解し、適切な手続きと運営を行うように心がけましょう。

(2)近隣トラブル

民泊施設は、一般の住宅地に存在することが多いため、宿泊者の行動によっては、近隣住民とのトラブルに発展する可能性があります。

トラブルの例内容
騒音問題深夜に大声で話したり、音楽をかけたりする。
ゴミ問題ゴミの出し方が悪かったり、分別が不十分だったりする。
無断駐車指定された場所以外に駐車する。
共用スペースの無断使用マンションのエントランスやエレベーターを占拠する。
宿泊者のプライバシー侵害近隣住民の敷地への侵入や覗き見。

このようなトラブルを避けるためには、宿泊者に対して、近隣住民への配慮を促すルールを定め、周知徹底することが重要です。具体的には、チェックイン時に施設利用に関する説明を行い、注意書きを目立つ場所に掲示するなどの対策が考えられます。また、近隣住民との良好な関係を築くために、日頃から挨拶を交わしたり、地域行事に参加したりすることも有効です。

(3)空室リスク

民泊はホテルとは異なり、需要が大きく変動する点が挙げられます。

要因具体例
季節要因観光シーズン、閑散期
経済状況景気変動、為替レート
イベント国際的なスポーツ大会、音楽フェス

上記のような要因によって、想定していたように予約が入らず、収益が安定しないリスクがあります。空室リスクを最小限に抑えるためには、需要変動を予測した価格設定や、効果的なプロモーション活動が重要になります。例えば、閑散期には宿泊料金を安く設定したり、長期滞在者向けの割引プランを導入したりするなどの工夫が求められます。

(4)自然災害や事故のリスク

民泊投資を行う上で、地震や台風などの自然災害、火災や盗難などの事故のリスクは避けられません。万が一、物件が被害を受けた場合、修繕費用や休業補償などで大きな損失が発生する可能性があります。

リスク説明対策例
自然災害リスク地震、台風、洪水などにより、物件が損壊したり、営業停止に追い込まれたりするリスク。地震保険や火災保険への加入、ハザードマップの確認、BCP策定など
事故リスク火災、盗難、水漏れ、設備故障など、物件内や周辺で発生する事故により、損害賠償責任を負うリスク。火災報知器や防犯カメラの設置、定期的な設備点検、保険加入など

これらのリスクを最小限に抑えるためには、事前にリスク対策を講じておくことが重要です。具体的には、地震保険や火災保険への加入、物件の耐震性や防災設備の確認、ハザードマップの確認などが挙げられます。また、緊急時における対応マニュアルを作成しておくことも大切です。

6. まとめ:自分に合った方法で最適な物件を見つけよう

自分に合った方法で、最適な民泊可能物件を見つけましょう。

手法メリットデメリット
民泊物件専門サイト民泊に関する情報が豊富物件数が限られる場合がある
大手不動産ポータルサイト物件数が多い希望条件で絞り込む必要がある
不動産会社に相談プロの視点からサポートを受けられる手数料が発生する場合がある
民泊運営代行会社に相談物件探しから運営までサポートを受けられる手数料が発生する場合がある

上記を参考に、自分に合った方法で探してみましょう。

効率的に物件探しを進めるためには、複数の方法を組み合わせることが重要です。

例えば、気になるエリアの物件情報を大手不動産ポータルサイトで網羅的に集めつつ、民泊物件専門サイトで収益性の高い物件がないか探してみる、といった方法も有効です。

また、不動産会社に相談する場合は、民泊に関する知識や経験が豊富な担当者を選ぶようにしましょう。

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