宿泊コラム

民泊禁止のマンションが増加中!その理由と知っておくべきルールをわかりやすく解説

民泊禁止のマンションが増加中!その理由と知っておくべきルールをわかりやすく解説

1. はじめに: 近年増加する民泊禁止マンションと、その背景にあるトラブル

近年、旅行者向けの宿泊施設としてAirbnbなどに代表される民泊サービスが人気を集めています。しかし、その一方で、マンションでの民泊利用を禁止する動きが強まっています。

理由内容
近隣住民とのトラブル増加騒音、ゴミ出し、セキュリティ面など、様々なトラブルが発生しているため
建物の老朽化への懸念共用部分の劣化が早まる可能性があるため
管理上の負担増加民泊利用者に対する対応やトラブル処理など、管理組合の負担が増加するため

これらの背景には、一部の民泊利用者によるマナー違反やトラブル発生が後を絶たないという現状があります。騒音問題やゴミの不法投棄、さらにはセキュリティ上の不安など、住民の不安は増すばかりです。

このような状況を重く見て、多くのマンションでは、管理規約の改正や新たなルール作りなど、対策に乗り出しています。

2. マンションで民泊が禁止される理由

2.1 近隣住民とのトラブル増加

– 騒音問題

民泊利用者が夜遅くに部屋に出入りする音や、室内での話し声、音楽などが近隣住民の迷惑となるケースが増えています。特に、海外からの旅行者の場合、文化や生活習慣の違いから、近隣住民が感じる騒音レベルも大きく異なる可能性があります。

騒音の例内容
ドアの開閉音特に夜間・早朝は響きやすい
室内での会話大きな声での会話や笑い声
音楽・テレビの音夜遅くまで大音量で楽しむ
ベランダでの会話・飲食近隣住戸に声が響きやすい
家具の移動音掃除や模様替えなどによる騒音

これらの騒音が原因で、近隣住民は睡眠不足やストレスに悩まされることになり、住民同士のトラブルに発展することも少なくありません。結果として、マンション全体の住環境が悪化し、資産価値の低下に繋がる可能性も懸念されます。

– ゴミ出し問題

民泊利用者が、マンションのルールに従ってゴミ出しをしないケースが増えています。その結果、

  • ゴミ置き場の汚染
  • ゴミの出し忘れによる悪臭
  • カラスなどの害獣被害

などが発生し、近隣住民に迷惑をかけることに繋がっています。

問題点詳細
ゴミの分別ができていない可燃ゴミ・不燃ゴミ・資源ゴミなどの分別ができておらず、収集日に回収してもらえないケースがあります。
ゴミ置き場ではない場所に放置ゴミ置き場がいっぱいになると、マンションの敷地内に不法投棄するケースがあります。
指定袋を使用していないマンション指定のゴミ袋ではなく、自宅から持ち込んだゴミ袋を使用するケースがあります。

これらの問題は、住民にとって不衛生な環境を生み出すだけでなく、マンションの美観を損ない、資産価値の低下にも繋がります。

– セキュリティ上の不安

民泊利用者が入居することで、マンションのセキュリティ体制に不安が生じる可能性があります。

不安要素詳細
不特定多数の出入り民泊は宿泊者が頻繁に入れ替わるため、誰が居住者で誰がそうでないのかが分かりにくくなる可能性があります。
セキュリティシステムの不十分な利用民泊利用者がセキュリティシステムの使用方法を熟知していない場合、不正侵入のリスクが高まります。
トラブル発生時の対応の遅れ居住者以外とのトラブルが発生した場合、迅速な対応が難しくなる可能性があります。

これらの要素が重なることで、マンション全体のセキュリティレベルが低下し、居住者の安全が脅かされる可能性も否定できません。

2.2 建物の老朽化の懸念

民泊利用者の増加は、マンションの共用部分の劣化を早める可能性があります。想定以上の利用頻度の増加は、建物の寿命に影響を与える可能性も懸念されています。

共用部分劣化の可能性が高い箇所例
エレベーター定員超過による故障リスク増加
階段利用者増加による摩耗の進行
配管水の使用量増加による負荷増加
ゴミ置き場ゴミの量増加による衛生環境の悪化

これらの問題は、結果として住民全体の修繕費用負担の増加や、建替え時期の早期化につながる可能性も孕んでいます。建物の資産価値を守るためにも、民泊利用については慎重な検討が必要です。

2.3 管理上の負担増加

民泊の増加は、マンション管理組合や管理会社にとって、管理業務の負担増加につながっています。

業務内容具体例
苦情対応騒音やゴミ出しに関する住民からの苦情対応
トラブル対応民泊利用者と住民間のトラブルの仲介
セキュリティ管理の強化不特定多数の出入りによるセキュリティリスクへの対応(防犯カメラの増設、セキュリティシステムの見直しなど)
清掃共用部分の清掃頻度増加
ルール enforcement民泊利用者への注意喚起、ルール違反者への対応

これらの業務増加は、管理費の値上げや人件費増加につながる可能性もあり、結果として住民全体の負担増となる可能性も懸念されます。

3. マンションの民泊に関するルール

3.1 管理規約の確認は必須

– 民泊に関する記述の有無

マンションの管理規約には、あらかじめ民泊に関する規定が定められている場合があります。 規定の内容はマンションごとに異なりますが、大きく分けて以下の3つのケースが考えられます。

ケース内容
民泊を明確に禁止している規約内で「民泊の禁止」が明記されている
条件付きで民泊を許可している特定の条件を満たした場合のみ民泊を許可している(例:期間や頻度の制限、届出制など)
民泊に関する記述がない民泊について明確な規定がない

ご自身のマンションがどのケースに該当するのか、管理規約を確認することが重要です。

– 罰則規定の有無

管理規約に民泊に関する記載がある場合、そこには罰則規定も含まれているケースがあります。

例えば、無断で民泊を行った場合、以下のような罰則が科される可能性があります。

罰則の内容説明
違約金の支払い金額は規約によって異なり、数十万円に上る場合もあります。
部屋の使用停止一定期間、または永久的に部屋の使用を禁止されることがあります。
マンションからの退去命令最悪の場合、マンションから退去させられることもあります。

罰則規定は、マンションの住民全体の安全と安心を守るために設けられています。 民泊を検討する際は、必ず管理規約を確認し、罰則規定の有無と内容をきちんと把握しておくことが重要です。

3.2 賃貸契約書における民泊の扱い

マンションの賃貸契約においても、民泊に関する扱いは非常に重要です。賃貸契約書は、入居者と大家さんとの間で締結される、居住に関する権利と義務を定めた重要な書類です。

項目内容
民泊の可否賃貸契約書に民泊を許可する記載がある場合は、民泊が認められる可能性があります。
禁止事項逆に、「民泊の禁止」や「転貸の禁止」といった条項が明記されている場合は、民泊を行うことはできません。
無許可営業のリスク無許可で民泊を行った場合、契約違反として、契約解除や損害賠償請求などの厳しい措置が取られる可能性があります。

賃貸契約書の内容はケースバイケースなので、必ず契約前に内容を確認し、不明点があれば不動産会社に問い合わせることが重要です。

3.3 民泊新法と特区民泊制度の概要

マンションで民泊を行う場合、民泊新法(住宅宿泊事業法)と、特区民泊制度の2つのルールを理解する必要があります。

区分民泊新法特区民泊制度
許可都道府県知事への届出が必要国家戦略特別区域法に基づく認定が必要
営業日数原則として年間180日以内年間営業日数に制限なし
対象区域全国国家戦略特別区域に指定された地域のみ

民泊新法では、届出を行った上で、年間180日以内の営業が認められています。一方、特区民泊制度は、国家戦略特別区域に指定された地域のみで認められており、年間営業日数に制限はありません。

マンションの管理規約によっては、民泊新法に基づく届出をしていても民泊が禁止されている場合や、特区民泊であっても認められていない場合があります。事前にしっかりと確認することが重要です。

4. もし、マンションで無許可の民泊を見つけてしまったら?

4.1 管理会社や組合への連絡

もし、居住しているマンションで無許可の民泊が行われている疑いがある場合は、早急に管理会社やマンションの管理組合に連絡しましょう。

連絡先メリットデメリット
管理会社スピーディーな対応を期待できる場合がある問題解決まで至らない、対応が遅い場合がある
管理組合住民の声として直接届きやすい、根本的な解決に繋がる連絡や対応に時間がかかる場合がある

連絡する際には、

  • いつ、どこで、どのような民泊行為があったのか
  • 具体的にどのような迷惑行為を受けているのか

を伝えるようにしましょう。証拠となる写真や動画、音声記録などがあれば、提示するとより効果的です。

4.2 証拠の記録

無許可の民泊を通報・相談する際に、客観的な証拠があると、問題解決がスムーズに進みます。無許可の民泊を見つけた場合は、以下の様な証拠を記録しておきましょう。

証拠の種類具体的な内容
日時民泊利用者を目撃した日時を記録しましょう。
場所マンションの住所や部屋番号を特定します。
目撃情報スーツケースを持った不特定多数の出入り、騒音、ゴミの不法投棄など、具体的に記録しましょう。
写真・動画プライバシーに配慮しながら、状況を記録できる写真や動画を撮影しておくと、有力な証拠となります。ただし、住人の顔やナンバープレートなど、個人が特定できる情報は撮影・公開しないように注意しましょう。
その他不審なウェブサイトやSNSの投稿を見つけた場合は、スクリーンショットを保存しておきましょう。

これらの証拠は、管理会社や警察に相談する際に役立ちます。ただし、証拠を集めることに固執しすぎず、身の安全を第一に行動してください。

5. まとめ: 自分も周りも快適に暮らすために、マンションのルールとマナーを守ることの重要性を再確認

マンションは、多くの人が生活を共にする集合住宅です。快適な生活を送るためには、居住者一人ひとりがルールとマナーを守ることが重要になります。

特に、近年問題となっている民泊に関しては、その運用方法によって近隣住民に迷惑をかける可能性があります。民泊を検討する場合はもちろんのこと、マンションに住むすべての人が、

  • 管理規約の内容
  • 賃貸借契約の内容
  • 民泊新法などの関連法規

を正しく理解し、マンション全体で安心・安全な暮らしを実現していくことが大切です。

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