宿泊コラム

1. はじめに：憧れのセカンドハウス、でも失敗談も多い！？

「週末は自然いっぱいの別荘でゆったり過ごしたい」「老後は海の見える家で穏やかに暮らしたい」 セカンドハウスは、都会の喧騒を離れ、自分だけの時間を満喫できる魅力的な選択肢です。

しかし、憧れだけで購入してしまうと、

失敗例
利用頻度が低く、持て余してしまう	税金や維持費が負担になる
立地が悪く、アクセスに苦労する	設備の老朽化や故障が頻発する
購入後に予想外の費用がかかってしまう	管理が行き届かず、家が傷んでしまう

といった失敗談も後を絶ちません。

夢のセカンドハウスを手に入れるためには、事前にしっかりと計画を立て、リスクを理解しておくことが重要です。

2. セカンドハウス購入でよくある失敗とは？

(1)目的があいまい

夢や憧れだけで購入してしまうケース

「週末は自然いっぱいの場所でスローライフ」「海の見える家でリフレッシュ」など、セカンドハウスへの憧れは尽きません。しかし、夢や憧れだけで購入を決めてしまうと、後々後悔することにつながる可能性があります。

よくある失敗例	結果
広い庭付きの一戸建てを購入したが、庭の手入れが負担になった	利用頻度が減り、持て余してしまう
海辺の物件を購入したが、潮風による建物の劣化が激しかった	予想以上の修繕費がかかってしまった
別荘地にある物件を購入したが、思ったより人里離れていて不便だった	生活に必要な買い物や病院へのアクセスに苦労する

憧れだけで突っ走らず、現実的な視点を持つことが重要です。

利用頻度が低く、持て余してしまうケース

セカンドハウス購入の失敗談として特に多いのが、「利用頻度が低く、持て余してしまう」というケースです。

購入前の想定	購入後の現実
週末は毎回行くつもり！	仕事が忙しくて、月に1回行けるかどうか…
夏休みや冬休みは長期滞在する予定！	子供が大きくなったら、一緒に行ってくれなくなった…

このように、購入前は頻繁に利用するイメージを持っていても、実際に所有してみると想定よりも利用頻度が低くなってしまうケースは少なくありません。

「せっかく購入したのに、ほとんど使っていない…」という状況は、経済的にも精神的にも負担が大きくなってしまいます。

(2)資金計画の甘さ

購入費用だけでなく、維持費や修繕費を見積もれていないケース

セカンドハウスの購入費用は、物件価格だけではありません。 固定資産税や都市計画税などの税金に加えて、光熱費や水道代などの維持費も必要です。 さらに、物件の状態によっては、予想外の出費が発生する可能性もあります。

例えば、以下のような費用が発生する可能性があります。

項目	内容
固定資産税・都市計画税	土地や建物の固定資産税
管理費・修繕積立金	マンションなどの場合
光熱費	電気、ガス、水道料金
火災保険料	建物の火災保険
設備修繕費	給湯器の交換、屋根の修理など

これらの費用は、物件の築年数や広さ、設備によって大きく異なります。 購入前にしっかりと見積もりを立てておくことが大切です。

ローンの返済計画が現実的でないケース

セカンドハウスの購入は、住宅ローンを利用することが一般的です。しかし、返済計画を甘く立ててしまうと、後々返済に苦しむことになりかねません。

例えば、以下のようなケースが考えられます。

ケース	説明
年収に対して借入額が多すぎる	返済比率が高くなり、家計を圧迫する可能性があります。
頭金を少なくしすぎた	月々の返済額が大きくなり、返済が負担になりやすいです。
変動金利型ローンを選択し、金利が上昇した場合	月々の返済額が増加したり、返済期間が延びる可能性があります。

セカンドハウスは、あくまで生活の基盤となる住宅ではありません。万が一、返済が困難になった場合でも、売却してしまえば良いという考え方は危険です。

将来的な収入減や金利上昇などのリスクも考慮し、無理のない返済計画を立てるようにしましょう。

(3)立地選びの失敗

アクセスが悪く、行くのが面倒になってしまうケース

いざセカンドハウスを購入したものの、「行くまでに時間がかかりすぎて、結局あまり使っていない…」というケースは少なくありません。

アクセスの問題点例	解説
車での移動時間が長い	レジャーシーズンは渋滞にはまってしまい、到着するまでに疲れてしまうことも。
公共交通機関の便が悪い	電車やバスの本数が少ないと、時間に縛られてしまい、気軽に行くのが難しくなります。
空港や駅から物件までの移動手段が限られる	空港や駅から物件までタクシーやレンタカーを利用する場合、その費用や手間も考慮する必要があります。

セカンドハウスは、休日や長期休暇に気軽に訪れてリフレッシュできる場所であることが理想です。購入前に、以下の点をしっかり確認しましょう。

• 自宅からの距離や移動時間
• 道路状況や公共交通機関の便
• 駐車場の有無

「週末だけ」「長期休暇のみ」など、利用シーンを想定したアクセス手段を検討することが大切です。

周りの環境を考慮せず、不便を感じてしまうケース

せっかくセカンドハウスを購入したのに、周りの環境が原因で不便を感じてしまうケースもあります。

ケース	詳細
スーパーや病院が遠い	食料品や日用品の買い物、急な病気や怪我への対応が大変
公共交通機関が少ない	車がないと移動が困難、維持費の負担増
騒音や悪臭	工場や幹線道路、養豚場などが近くにある
近隣トラブル	近隣住民とのトラブル、ペット飼育に関する問題

事前に周辺環境をよく調べずに購入してしまうと、このような問題に直面することがあります。快適なセカンドハウスライフを送るためには、周辺環境への配慮も欠かせません。

(4)物件選びの失敗

広すぎる、または狭すぎるなど、実際の利用に合わないケース

セカンドハウスの購入にあたっては、広さや間取りも重要な要素です。 「広々とした空間でゆったりと過ごしたい」という思いから、広すぎる物件を選んでしまうケースも少なくありません。 しかし、実際に利用してみると、掃除やメンテナンスが負担になったり、光熱費などの維持費がかさんでしまうといった問題が発生する可能性があります。

メリット	デメリット
広々とした空間でくつろげる	掃除やメンテナンスが大変
友人や親戚を招きやすい	光熱費などの維持費がかかる
将来的な家族構成の変化にも対応しやすい	空きスペースを持て余してしまう

反対に、予算を抑えるために狭すぎる物件を選んでしまうと、窮屈な思いをすることになりかねません。 セカンドハウスを訪れる人数や頻度、滞在期間などを考慮し、実際の利用シーンに合った広さや間取りの物件を選ぶことが大切です。

設備の老朽化や不具合を見逃してしまうケース

セカンドハウスは、中古物件を選ぶことも多いでしょう。その際、設備の老朽化や不具合を見逃すと、後々高額な修理費用が発生する可能性があります。

例えば、以下のような設備に注意が必要です。

設備	チェックポイント
屋根	雨漏り跡や瓦の劣化
外壁	ひび割れや塗装の剥がれ
水回り（キッチン・浴室）	水漏れや排水不良、給湯設備の動作確認
電気設備	コンセントの数や位置、ブレーカーの容量
ガス設備	ガス漏れや給湯器の動作確認

内覧時には、これらの設備をしっかりと確認し、気になる点があれば積極的に質問しましょう。また、専門家による住宅診断も検討すると安心です。目先の価格だけに惑わされず、設備の状態まで考慮することが大切です。

(5)管理の負担

定期的な清掃やメンテナンスが負担になるケース

セカンドハウスは、普段住む家とは違い、利用頻度が低くなる傾向があります。そのため、定期的な清掃やメンテナンスがおろそかになりがちです。

項目	説明
清掃	定期的に掃除をしないと、ホコリがたまったり、カビが発生したりする可能性があります。
庭の手入れ	庭木の手入れや雑草抜きなど、定期的なメンテナンスが必要です。
設備の点検	水回りや電気設備など、定期的な点検が必要です。

これらの作業は、時間や手間がかかるだけでなく、専門業者に依頼する場合は費用も発生します。セカンドハウスの購入を検討する際には、これらの維持管理にかかる費用や手間についても考慮する必要があります。

空き巣や災害などのリスク管理が難しいケース

セカンドハウスは、普段住んでいる場所から離れていることが多く、防犯対策や災害時の対応が難しいという側面があります。

リスク	具体的な内容
空き巣	長期不在時に狙われやすく、被害に遭っても気づくのが遅れる可能性があります。
災害	地震や台風などの災害発生時、遠方にいることで状況確認や対応が遅れてしまうことがあります。被害状況によっては、復旧作業に時間がかかることも考えられます。

定期的にセカンドハウスを訪れることが難しい場合は、特に注意が必要です。セキュリティシステムを導入したり、信頼できる人に管理を依頼したりするなど、対策を検討しましょう。

3. セカンドハウス購入を成功させるための秘訣

(1)目的や利用シーンを明確にする

家族構成やライフスタイルの変化も考慮する

セカンドハウスの購入は、少なくとも今後10年、20年先を見据え、家族構成やライフスタイルの変化も考慮する必要があります。

家族構成の変化	ライフスタイルの変化
子供の誕生・成長	趣味の変化
子供の独立	仕事の状況の変化
親との同居	早期リタイア

例えば、子供が小さいうちは、広々とした庭付きの物件が魅力的に思えても、子供が独立した後には、夫婦二人では広すぎる、と感じるかもしれません。また、定年退職後には、より多くの時間をセカンドハウスで過ごすようになることも考えられます。

将来の変化の可能性を考慮し、柔軟に対応できる物件を選ぶことが大切です。

具体的な利用イメージを持つ

セカンドハウスを持つ目的は人それぞれですが、購入前に具体的な利用イメージを持つことが大切です。

例えば、以下のような項目を具体的に考えてみましょう。

項目	具体的な内容例
利用頻度	週末のみ？ 月1回？ サマーシーズンのみ？
利用人数	家族全員で？ 夫婦のみ？ 友人を招く？
利用シーン	バーベキュー？ 釣り？ スキー？ ガーデニング？
滞在期間	1泊？ 連泊？

このように、具体的な利用イメージを持つことで、本当に必要な広さや設備、立地などが明確になります。夢や憧れだけでなく、現実的な視点を持つことが大切です。

(2)無理のない資金計画を立てる

購入費用だけでなく、維持費や修繕費、税金なども含めて試算する

セカンドハウスの購入費用は物件価格だけではありません。購入後も継続的にかかる費用があることを忘れてはいけません。例えば、固定資産税・都市計画税などの税金、管理費や修繕積立金などの維持費、さらに、不測の事態に備えた修繕費なども考慮する必要があります。

費用項目	内訳例
税金	固定資産税、都市計画税
維持費	管理費、修繕積立金、水道光熱費
修繕費	外壁塗装、屋根修理、水回り設備交換

これらの費用は物件の築年数や広さ、設備によって大きく異なります。事前にしっかりと見積もり、無理のない資金計画を立てましょう。

例えば、築年数が経過している物件の場合、購入後すぐに水回りの設備交換や屋根の修理が必要になる可能性があります。このような場合、数十万円から数百万円単位の出費となることも珍しくありません。

ローンの返済シミュレーションを行い、無理のない計画を立てる

セカンドハウスの購入を検討する際、多くの方が住宅ローンを利用することでしょう。 しかし、頭金や金利、返済期間によって毎月の返済額は大きく変動します。 無理のない返済計画を立てるためには、返済シミュレーションが重要です。

例えば、3,000万円の物件を頭金1,000万円で購入する場合、金利や返済期間によって以下の様に返済額が変わってきます。

金利 (年利)	返済期間	毎月の返済額
0.5%	20年	約9.3万円
1.0%	20年	約9.7万円
1.5%	20年	約10.1万円
0.5%	30年	約6.5万円
1.0%	30年	約7.0万円
1.5%	30年	約7.4万円

このように、金利や返済期間によって毎月の返済額は大きく変わります。 複数の金融機関でシミュレーションを行い、返済額が無理なく、かつ生活水準を落とさずに返済できる計画を立てましょう。

(3)徹底的なリサーチと比較検討

複数の不動産会社に相談し、情報収集を行う

セカンドハウスの購入は大きな買い物です。 そのため、1つの不動産会社だけでなく、複数の不動産会社に相談し、比較検討することが重要です。 それぞれの不動産会社によって、得意なエリアや物件の種類、顧客層などが異なります。 複数の視点から情報を得ることで、自分に最適な物件を見つけやすくなります。

項目	説明
地域密着型の不動産会社	その地域の物件情報に強く、地元の不動産事情に精通している
大手不動産会社	全国規模で物件情報を保有しており、様々なニーズに対応可能
セカンドハウス専門の不動産会社	リゾート物件や別荘地などに詳しく、専門性の高い情報提供を受けられる

複数の不動産会社に相談する際は、希望条件を明確に伝え、それぞれの提案を比較検討することが大切です。 また、疑問点や不安な点は遠慮なく質問し、納得するまで情報収集を行いましょう。

実際に現地を訪れ、周辺環境も確認する

不動産会社から紹介された物件情報やインターネット上の情報だけで判断せず、 実際に現地に足を運んでみること が重要です。

現地では、周辺環境にも目を向けましょう。以下に確認すべきポイントをまとめました。

項目	内容
アクセス	最寄りの駅からの距離や、バス停の有無、道路状況などを確認しましょう。
スーパーやコンビニなどの商業施設	日常生活に必要なものが揃うか、営業時間はどれくらいかなどを確認しましょう。
病院	万が一の場合に備え、病院までの距離や診療科目などを確認しておきましょう。
公園や緑地	leisureやリフレッシュに利用できる場所があるか確認しましょう。
治安	昼間だけでなく、夜間も訪れてみて、街灯の有無や人通りなどを確認しましょう。
騒音	車や電車、飛行機などの騒音は気にならないか、確認しましょう。

これらの要素は、セカンドハウスでの生活の質を大きく左右します。周辺環境までしっかりと確認することで、 より具体的にセカンドハウスでの生活をイメージすることができます。

他の物件との比較検討も重要

希望のエリアで複数の物件を比較検討することは、後悔しないセカンドハウス選びに欠かせません。 　比較検討を効果的に行うために、以下の表を活用してみましょう。

項目	物件A	物件B	物件C
立地	駅から徒歩5分、海まで徒歩10分	駅から車で15分、山間部	駅から徒歩10分、コンビニまで徒歩5分
広さ	60㎡	100㎡	40㎡
築年数	10年	25年	新築
価格	2,000万円	1,500万円	2,500万円
メリット	駅近で便利、海も近い	価格が安い、広い	新築で綺麗
デメリット	やや築年数が経過している	車がないと不便	価格が高い
その他	ペット可	温泉付き

このように、それぞれの物件の特徴を可視化することで、自身のニーズに合った物件を見つけやすくなります。 　時間をかけて慎重に比較検討を行いましょう。

(4)購入後の管理体制を整える

清掃やメンテナンスを業者に依頼することも検討する

セカンドハウスは、別荘地など普段住んでいる場所から離れた場所にあるケースも多いため、こまめな清掃やメンテナンスが負担になることがあります。 そこで、専門業者に清掃やメンテナンスを依頼することを検討してみましょう。

メリット	デメリット
時間と労力の節約になる	費用がかかる
専門的な知識と技術で、質の高いサービスを受けられる	業者との打ち合わせや契約などの手間が発生する

費用はかかりますが、時間と労力を節約できるだけでなく、専門業者による質の高いサービスを受けられるというメリットがあります。 特に、定期的な清掃や庭木の剪定、設備の点検など、専門的な知識や技術が必要なメンテナンスは、プロに依頼することで安心です。 信頼できる業者を事前に探しておくことが大切です。

防犯対策や火災保険への加入なども検討する

セカンドハウスは、普段は留守にすることが多いため、防犯対策は非常に重要です。空き巣被害を防ぐために、セキュリティーシステムの導入や、近隣住民との連携などを検討しましょう。

また、火災や自然災害などのリスクにも備えておく必要があります。火災保険への加入は必須ですが、セカンドハウスの場合は、補償内容が異なる場合があるので注意が必要です。

補償内容	説明
火災	火災による損害を補償します。
落雷	落雷による損害を補償します。
爆発	爆発による損害を補償します。
風災	台風などによる風災の損害を補償します。
水災	洪水や高潮などによる水災の損害を補償します。
盗難	盗難による損害を補償します。
破損・汚損	不測かつ突発的な事故による損害を補償します。
セカンドハウス特有の補償	利用頻度が低いため、通常の住宅よりも保険料が高くなる場合や、補償内容が限定される場合があります。

保険会社によって補償内容や保険料は異なるため、複数の保険会社を比較検討し、自分に合った保険を選びましょう。

これらのリスク管理をしっかり行うことで、安心してセカンドハウスを楽しむことができます。

4. まとめ：後悔しないセカンドハウス選びを！

セカンドハウスの購入は、人生における大きな決断です。 憧れだけで突き進むのではなく、失敗例から学び、成功の秘訣をしっかり押さえることが大切です。

失敗例	成功の秘訣
目的があいまい	目的や利用シーンを明確にする
資金計画の甘さ	無理のない資金計画を立てる
立地選びの失敗	徹底的なリサーチと比較検討
物件選びの失敗	徹底的なリサーチと比較検討
管理の負担	購入後の管理体制を整える

時間をかけて情報収集を行い、専門家の意見も参考にしながら、後悔しないセカンドハウス選びを実現しましょう。