宿泊コラム

失敗しない!民泊オーナーチェンジ物件の選び方5つのポイント

失敗しない!民泊オーナーチェンジ物件の選び方5つのポイント

1. はじめに:オーナーチェンジ物件で民泊投資を成功させよう

近年、観光客の増加や投資対象としての魅力から、民泊ビジネスへの注目が高まっています。

中でも、すでに民泊として運営実績のある物件をまるごと引き継ぐ「オーナーチェンジ物件」は、不動産投資初心者の方にも人気の投資方法です。

メリットデメリット
運営実績から収益性を予測しやすい既存設備の老朽化の可能性がある
前オーナーのノウハウを引き継げる場合がある前オーナーの運営方法に縛られる可能性がある
比較的短期間で事業を開始できる物件の選定が重要になる

しかし、オーナーチェンジ物件への投資は、メリットだけでなく、デメリットや注意すべき点も存在します。

この特集記事では、オーナーチェンジ物件で民泊投資を成功させるためのポイントを、物件選びから注意点まで詳しく解説していきます。

2. 民泊オーナーチェンジとは?

– 2.1 既存の民泊事業をまるごと引き継ぐ

オーナーチェンジ物件では、物件そのものに加え、既存の民泊事業をまるごと引き継ぐことが可能です。

これはつまり、家具や家電などの備品、運営システム、顧客リスト、さらにはウェブサイトやSNSアカウントといった営業基盤まで、すでに揃った状態で事業をスタートできることを意味します。

引き継ぎ対象の例メリット
家具・家電初期費用を抑えられる
運営システム(予約管理、清掃など)スムーズな事業開始が可能
顧客リスト過去の顧客にアプローチできる
ウェブサイト、SNSアカウント集客活動の基盤を引き継げる

このような、従来の不動産投資にはない、事業そのものを引き継ぐという点が、民泊オーナーチェンジ物件の大きな特徴と言えるでしょう。

– 2.2 オーナーチェンジのメリット・デメリット

オーナーチェンジには、メリットだけでなく、デメリットも存在します。成功のためには、両者を理解した上で慎重に判断することが重要です。

メリットデメリット
すぐに収益化が見込める前オーナーの運営に問題があった場合、改善が必要
前オーナーの経営実績を参考にできる既存の設備や内装が自分のイメージと合わない場合がある
運営ノウハウや顧客を引き継げる場合がある前オーナーの顧客データが引き継げない場合がある

例えば、メリットとして、すでに稼働しているため、購入後すぐに収益化できる点が挙げられます。一方、デメリットとしては、設備の老朽化や隠れた修繕費用が発生するリスクも考慮しなければなりません。

3. 失敗しない物件選びの5つのポイント

– 3.1 立地条件

– 3.1.1 交通アクセス

民泊は旅行者などの利用が多いため、交通アクセスは非常に重要です。駅から徒歩圏内かどうか、主要観光地へのアクセスは良好かなど、具体的なアクセス手段と所要時間を確認しましょう。

例えば、以下のような項目をチェックすると良いでしょう。

項目内容
最寄り駅からの距離徒歩〇分以内など、具体的な距離を記載
主要駅・空港からのアクセス主要駅や空港からのアクセス手段と所要時間を具体的に記載
バス停からの距離最寄りのバス停からの距離
周辺道路の混雑状況時間帯による道路の混雑状況。渋滞が発生しやすい場所にある場合は注意が必要

アクセスの良さは、予約率や宿泊料金に影響を与えるため、しっかりと検討しましょう。

– 3.1.2 周辺環境

物件の周辺環境も、民泊経営の成功を大きく左右する要素です。

観光客にとって魅力的な施設やお店が周囲にあるか、コンビニやスーパー、病院などが近くにあるかなど、生活のしやすさも考慮する必要があります。

要素チェックポイント
観光スポット近隣に観光名所やレジャースポットがあるか
飲食店レストラン、カフェ、居酒屋など、種類が豊富か
ショッピングスーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストアなど
医療機関病院、クリニックなどが近くにあるか
治安夜間でも安全に過ごせる環境か
景観海や山など、眺望の良い場所か

これらの要素を考慮することで、宿泊客の満足度を高め、リピーター獲得や口コミによる集客効果も見込めます。

– 3.1.3 競合物件の状況

物件周辺に類似の民泊施設が多い場合、顧客の奪い合いが発生し、収益が圧迫される可能性があります。 事前に競合物件について調査を行い、以下の点を把握しておくことが重要です。

項目調査内容例
周辺の民泊施設の数
価格帯宿泊料金の相場
種類ホテル、旅館、ゲストハウスなど、施設の種類の割合
ターゲットどのような客層をターゲットにしているか
レビュー口コミサイトなどから、顧客満足度や競争力を分析

これらの情報収集を通して、競合との差別化ポイントや、選定する物件の強み・弱みを分析できます。

3.2 物件の状態

– 3.2.1 建築年数や設備

建物の築年数は、修繕費用や入居者の満足度に直結する要素です。築年数が古いほど、設備の老朽化が進んでいる可能性が高く、大規模な修繕が必要になることも考えられます。

築年数メリットデメリット注意点
新築最新設備、綺麗価格が高い
築浅比較的新しい設備価格がやや高い
築古価格が安い設備が老朽化している可能性修繕費用や入居者の満足度を考慮

また、エアコンや給湯器などの設備が最新のものであるかどうかも確認が必要です。快適な宿泊環境を提供するため、設備の充実度は重要な要素となります。特に、外国人観光客をターゲットにする場合は、Wifi環境の整備は必須と言えるでしょう。

– 3.2.2 修繕履歴と今後のメンテナンス費用

建物の状態を確認する上では、過去の修繕履歴も重要なチェックポイントです。

過去の修繕履歴を確認することで、物件の経年劣化に対する対策や、設備の交換時期の目安を把握することができます。

例えば、以下のような項目について、過去の修繕履歴と今後のメンテナンス費用を確認しましょう。

項目内容
屋根・外壁塗装や防水工事の履歴。今後10年の間に必要となる工事の見積もり
水回り(キッチン・浴室)設備の交換履歴や水漏れなどの修理履歴。今後の交換時期の目安
電気設備配線やブレーカーの交換履歴。法定点検の実施状況
空調設備エアコンの交換履歴や修理履歴。今後の交換時期の目安

これらの情報を確認することで、想定外のメンテナンス費用が発生するリスクを減らし、長期的な収益計画を立てることができます。

– 3.2.3 法令遵守:旅館業許可や消防法

民泊運営には、旅館業法や消防法など、クリアしなければならない法規制がいくつかあります。オーナーチェンジ物件の場合、前オーナーがすでにこれらの許可を取得しているケースが多いですが、必ずしもすべての物件が合法的に運営されているとは限りません。

物件購入前に、以下の許可・届出が適切に行われているか、必ず確認しましょう。

法律内容
旅館業法宿泊施設として営業するための許可。簡易宿所の許可を取得している場合も。
消防法火災予防のために必要な設備の設置や届出。

これらの法規制を満たしていない物件を購入してしまうと、後々、多額の費用をかけて改修工事を行ったり、最悪の場合、営業停止に追い込まれる可能性もあります。後々のトラブルを避けるためにも、事前にしっかりと確認することが重要です。

3.3 収益性

– 3.3.1 過去の売上・稼働率データ

オーナーチェンジ物件では、過去の売上と稼働率のデータが収益性を判断する上で非常に重要です。これらのデータは、過去の運営状況を把握し、将来の収益を予測する材料となります。

データ内容
売上データ月別・年間の売上高、客室単価、顧客単価など
稼働率データ月別・年間の稼働率、曜日別・季節別の稼働率など

これらのデータを提供してもらい、詳細に分析しましょう。例えば、年間を通して安定した収益が出ているのか、特定の季節に稼働率が偏っているのかなどを確認します。加えて、周辺のイベントや競合施設の状況なども考慮することで、より精度の高い収益予測が可能になります。

– 3.3.2 想定されるランニングコスト

収益性を正確に見極めるには、ランニングコストもしっかりと把握しておく必要があります。民泊運営には、以下のようなランニングコストが発生します。

項目内容
光熱費電気代、水道代、ガス代など
消耗品費リネン類、アメニティ、清掃用品など
通信費インターネット回線、Wi-Fiなど
管理費・修繕積立金マンションやアパートなどの場合
広告費OTAサイトへの掲載料、広告出稿費用など
保険料火災保険、賠償責任保険など
運営代行会社への手数料運営を委託する場合

これらの費用は、物件の規模や設備、運営方法によって大きく異なります。過去のデータなどを参考にしながら、現実的なランニングコストを計算しておきましょう。

– 3.3.3 投資回収シミュレーション

投資回収シミュレーションでは、物件価格だけでなく、購入時の諸費用やランニングコストなども考慮する必要があります。

例えば、以下のような項目を盛り込み、何年で投資元を回収できるか具体的に計算してみましょう。

項目金額(万円)備考
物件価格2,000
購入時諸費用100
年間収入120想定稼働率に基づく
年間支出30固定資産税、光熱費、管理費等を含む

上記の例の場合、年間90万円のキャッシュフローが見込めます。 (1,200万円 ÷ 90万円 ≒ 13.3年) このように、投資回収期間を明確にすることで、長期的な視点で収益性を判断することができます。

3.4 運営の引き継ぎ

– 3.4.1 前オーナーの運営ノウハウ

オーナーチェンジ物件では、前オーナーが培ってきた運営ノウハウを引き継げる点が大きなメリットです。成功している物件であれば、集客方法や顧客対応、清掃方法など、実績のあるノウハウを短期間で習得できます。

具体的には、以下の様な情報提供を受けられるか確認しましょう。

提供情報内容
集客方法利用していた予約サイト、広告戦略など
顧客対応問い合わせ対応、トラブル対応のマニュアルなど
清掃・メンテナンス清掃手順、備品管理、業者との契約内容など
近隣住民への配慮騒音対策、ゴミ出しルールなどの共有

これらの情報提供や引継ぎが充実しているほど、スムーズな事業開始や安定収益に繋がりやすいため、事前にしっかりと確認しましょう。前オーナーとの面談の機会を設けて、直接話を聞くことが重要です。

– 3.4.2 運営代行会社の引継ぎ

オーナーチェンジ物件では、前オーナーが民泊運営を代行会社に委託しているケースが多く見られます。スムーズな事業の引継ぎと、安定した収益を維持するためにも、運営代行会社に関する情報はしっかりと確認しましょう。

確認項目内容
現状・代行会社がすでに存在するのか?
・契約内容(料金体系、業務範囲、契約期間など)
引継ぎの可否・契約を引き継げるのか?
・新たに契約を結ぶ必要があるのか?
条件の変更・引継ぎ時に料金や契約内容に変更が生じるか?
評判・実績・代行会社の評判や実績はどうか?

これらの情報を確認した上で、現在の代行会社と継続するのか、あるいは別の会社に乗り換えるのかを検討する必要があります。

– 3.4.3 顧客情報の引継ぎ

オーナーチェンジでは、顧客情報の引継ぎも重要なポイントです。過去の顧客データは、リピーター獲得や効果的なマーケティングに活用できるため、スムーズな事業開始には欠かせません。

項目内容
顧客リスト氏名、連絡先、過去の利用履歴などを確認します。
レビュー情報過去の宿泊客からの評価を確認し、改善点を探します。
マーケティング情報どのような方法で集客していたかを確認します。

顧客情報の取り扱いには、個人情報保護法への配慮が不可欠です。売買契約書に顧客情報の取り扱いに関する条項を盛り込み、個人情報保護法に則った適切な引継ぎを行うようにしましょう。

3.5 法律・契約

– 3.5.1 売買契約書の内容確認

オーナーチェンジ物件の購入では、売買契約書の内容確認が非常に重要です。

特に以下の項目は、後々のトラブルを防ぐためにも、しっかりと確認しましょう。

確認項目内容
物件の権利関係所有権、抵当権などの設定状況
売買価格および支払条件金額、支払い方法、手付金の額
物件の引渡し時期引渡し時期、引渡し前の瑕疵修繕責任の範囲
設備の状況付帯設備のリスト、動作確認の有無
契約解除に関する事項契約解除の条件、違約金の有無
民泊事業に関する事項必要な許認可の取得状況、賃貸借契約の有無、顧客情報の引渡しなど

売買契約書は専門用語が多く、内容が複雑なため、不明点があれば必ず不動産会社や弁護士に相談し、納得した上で契約を締結することが大切です。

– 3.5.2 重要事項説明書の確認

重要事項説明書は、物件に関する重要な情報が記載された書類です。宅地建物取引士から説明を受け、内容をしっかりと理解することが重要です。

特に、以下の項目については注意深く確認しましょう。

項目内容
土地の権利関係所有権、借地権、抵当権などの有無
建物の権利関係所有権、区分所有権、抵当権などの有無
都市計画法上の規制用途地域、建ぺい率、容積率など
その他の法令上の制限建築基準法、消防法、旅館業法などの規制
私道負担私道の有無、負担の有無と内容
インフラ整備状況電気、ガス、水道、下水道などの整備状況
管理状況・費用管理組合の有無、管理費・修繕積立金の金額と支払い状況
付帯設備エアコン、給湯器などの設備の状況
物件の現状瑕疵(欠陥)の有無、雨漏りやシロアリの被害の有無

重要事項説明書は、物件の購入判断に大きな影響を与える情報源です。内容を理解できない場合は、必ず宅地建物取引士に質問し、疑問点を解消してから契約に進みましょう。

– 3.5.3 専門家への相談

民泊オーナーチェンジ物件の購入は、高額な取引となるため、不動産、法律、税務など専門知識が必要となる場面が多くあります。そのため、以下の様な専門家への相談が有効です。

専門家相談内容
不動産会社物件の調査、価格交渉、契約手続きのサポート
弁護士契約内容の確認、法的トラブルへの対応
税理士税金に関するアドバイス、確定申告のサポート

専門家は、それぞれの専門知識を生かして、購入者が不利な立場に立たされないよう、また、後からトラブルに発展することがないよう、サポートをしてくれます。専門家への相談費用はかかりますが、安心・安全な取引のために、積極的に活用していくことをおすすめします。

4. 注意点:慎重なデューデリジェンスが重要

– 4.1 データの信頼性

オーナーチェンジ物件では、過去の売上データや稼働率などを確認できます。しかし、提供されたデータが本当に信頼できるものかどうか、注意深く見極める必要があります。

チェックポイント内容
データの期間少なくとも過去1〜3年分のデータを確認しましょう。
データの出所オーナーの自己申告ではなく、予約サイトや管理システムなどの客観的なデータであると信頼性が高いです。
データの根拠売上データの内訳(宿泊費、清掃費など)や稼働率の算出根拠を確認しましょう。
前オーナーの特殊な事情リピーターが多いなど、データの好調が前オーナーだからこその要因がないか確認しましょう。

これらのポイントを踏まえ、提供されたデータの信頼性を慎重に判断することが重要です。可能であれば、ご自身でも近隣物件のデータと比較したり、専門家に相談したりするのも有効な手段です。

– 4.2 隠れた瑕疵

物件の購入後に発覚する可能性のある、隠れた瑕疵にも注意が必要です。

例えば、以下のような瑕疵が考えられます。

瑕疵の例説明
水漏れ目視できない箇所での水漏れや、過去に水漏れがあったが修繕が不十分な場合がある。
シロアリ被害建物の構造部分にシロアリ被害があると、強度が低下し、多額の修繕費用が必要になる可能性がある。
土壌汚染土壌汚染が見つかった場合、浄化費用や資産価値の低下といったリスクがある。
近隣トラブルの履歴騒音問題やゴミの不法投棄など、近隣トラブルの履歴は、物件の評価に影響を与える可能性がある。過去にトラブルがあったにも関わらず、告知されていない場合もある。

これらの瑕疵は、物件の調査を専門業者に依頼するなど、入念なデューデリジェンスを実施することで、事前に発見できる可能性があります。

– 4.3 法律上の問題

民泊オーナーチェンジ物件では、法律上の問題が見落とされる可能性があります。特に、以下の点については注意が必要です。

問題点内容
不正な建築・用途変更無許可で建築や用途変更が行われている場合、是正費用や最悪の場合、営業停止になる可能性があります。
近隣トラブル騒音やゴミ問題など、前オーナー時代に近隣とのトラブルが発生していた場合、引き継いだ後もトラブルが続く可能性があります。
契約上の問題前オーナーと管理会社との契約内容によっては、契約解除や違約金が発生する可能性があります。

これらの問題を避けるためには、事前に専門家(弁護士や不動産鑑定士など)に相談し、法的なリスクを十分に確認することが重要です。

5. まとめ:成功への近道は、入念な準備と専門家との連携

民泊オーナーチェンジ物件で成功するためには、事前の入念な準備と専門家との連携が不可欠です。

物件の魅力に目を奪われがちですが、収益性や法的リスク、運営の引き継ぎなど、検討すべき点は多岐にわたります。

専門家相談内容
不動産会社物件情報の詳細、収益性、契約内容
弁護士契約書の確認、法的リスク
税理士税務・会計処理

これらの専門家の意見を仰ぎながら、自身でもしっかりと情報収集を行いましょう。

手間を惜しまず慎重に進めることで、リスクを最小限に抑え、成功に近づけるでしょう。

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